「旬刊商事法務」「NBL」「金融法務事情」などの雑誌を購読しているうちに、それらの雑誌の中から、時宜に適した記事を、簡単にとりまとめ、内部向けに情報発信してみたら、面白いのではないか!また、自分自身の勉強にもなるのではないか!と考えるようになりました。
そうかと言って、余り大袈裟なものでは、返って負担になるし、専門的になり過ぎると、読んでもらえない。なるべく、Up to Dateな話題性のあるものを、易しく解説する・・・これを基本的なコンセプトにして、早速、この仕事に取り掛かりました。さて、問題は、タイトルです。「最近の法律問題」というのは無難ではあるが、いかにも、面白みに欠ける、いろいろ考えたあげく、結局、「法務ニュース」というタイトルに決めた次第です。

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 「法務ニュース」ではどんな事を?

特別に、ある一つのテーマに絞り込んで書いたものではありません。非常に幅の広いテーマを扱いました。
テーマの選定は、全く自分の好みで行った、と言っていいでしょう。
どちらかと言えば、金融法務は苦手意識が強く、余り取り上げませんでした。もっと、広く、いわゆる企業法務と言った方が適切かもしれません。中でも、力をいれたのは、自己株式取得規制の緩和論です。いまでは、もう当然の事のように行われている、自己株式取得を巡る論議は、当時の私の法的興味をそそるに、十分なものがありました。
後年に自費出版した「時事法務の諸問題」でも、敢えて、この問題に関する論考を取り入れたのは、専門家でもないのに、生意気な言い方ですが、多少の文献的価値があるのではないか、と思ったからです。これに関連し、企業買収を巡る諸問題にも、大きな関心を持ちました。
また、借地借家法の改正論議が、高まりを見せていた時期でもありましたので、この問題も、多く取り上げたテーマ
の一つです。


 評価の低かった「法務ニュース」の仕事!

私が経済研究所に在籍した時代は、様々な意味で、言ってみれば「いい時代」でした。
「旬刊商事法務」「NBL」「金融法務事情」などの専門雑誌や「注釈民法」「注釈会社法」を始めとする専門書は、殆ど予算に縛られずに自由に買うことができましたし、社団法人商事法務研究会で主宰する「経営法友会」に加入して、週に一回の割合で開催される勉強会に出席するための東京への出張も、何らはばかるところがありませんでした。「都市再開発法制研究会」にも加入しました。

当時、私は、経済研究所における活動の中心を「法務ニュース」の発行においていました。
ただ、取り上げるテーマが、金融法務中心ではなく、もっと幅広くいわゆる企業法務全般に亘っていたこと、そして何よりも、自分としては、出来るだけ読み手の立場に立って、解り易く書いたつもりではありましたが、専門的に過ぎ、解りにくい、とっつきにくいと言われることが多く、必ずしも好評を得てはいなかったようです。
でも、自分としては、テーマの選定から始まり、発行に至るまで、すべて自分一人の手でやりましたから、こんなにも面白い仕事は、ほかに有りようがありません。

なかには、「あれはなかなか面白い、いつも楽しみにしている」と言って下さる方もあり、これは大きな励ましになるました。
しかし、全般的には、この仕事に対する評価自体は、決して高いものではなかったことは確かです。
何しろ、なかには、「閑人の余技に過ぎない!」と酷評する声さえあったのですから・・・。
それが、どうでしょう!後になって、まだ未発表のものを含め、この「法務ニュース」として発表した小論文をベースにして、「時事法務の諸問題」という一冊の本を自費出版した時には、一斉に賞賛!の声すらあがったのです。

私は、サラリーマンである以上は、サラリーマンとしての身の処し方は違えてはいけないけれども、上目づかいや横目づかいの身の処し方よりも、自分の正面を見て歩く生きかたの方に共感を憶えます。



 「法務ニュース」と自著「時事法務の諸問題」!

自分で関心を持った時事的な法務問題を「法務ニュース」として発表し、後になって、主として、それをベースに纏めたものが、「時事法務の諸問題」ですから、この本の目次を見ると、当時、自分がどのような問題に興味を示していたかが判ります。勿論、「法務ニュース」としては発表したものの、この本には収録しなかったものもあります。
私法の関係では、商法改正に係わる諸問題、行政法では、都市計画法と建築基準法の改正問題などは、この本には収録しませんでした。原稿が、散逸してしまっていたという事情にもよります。

今、この本の「目次」を見ると、第1章は「不正競争防止法をめぐる諸問題」と題し、いわゆる「営業秘密」(トレード・シークレット)の保護をめぐる問題を取り上げています。
第2章は「個人情報保護をめぐる諸問題」と題し、銀行の守秘義務について東京地裁の判例を採り上げて論じています。
第3章は「サービスマーク登録制度をめぐる諸問題」と題し、「商標法」の問題を取り上げ、そして、第4章は「証券取引法の一部改正とTOBをめぐる最近の動向」と題し、私が、当時、最も興味を寄せていた、企業の買収・合併、いわゆるM&Aをめぐる動向について米国企業の動きを紹介しながら、論じています。ボーダレスなM&Aが盛んだった時代でしたから、非常に関心を持ったテーマの一つです。
第6章は、判例を中心として「第三者割当増資をめぐる諸問題」について論じてみました。
次の、第6章「自己株式取得緩和論」の問題も多いに興味
がありました。商法210条に関するものですが、今はすっかり改正されているので、言わば「前史」としての文献的価値を有するのではないかと、自負さえしています。
最後の第7章を「借地借家法の概要」として、まとめてあります。

これを見ても判りますが、当時、私の関心は一つの方向性など全くなく、実にさまざまな方面に関心を持っていたことが判然としていて、面白いものがあります。



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